〈俺に似ろ 俺に似るなと 子を思い〉
以前どこかで見かけ、なるほどと思わされた句です。
日々、一喜一憂しながら子育てをされている方は多いかと思いますが、我が子の様子に自分と似ている所があるとうれしくなります。
でも、ここは似てほしくないと思う部分を見つけた時、なんとなく、子どもに申し訳ない気持ちになります。
〈子は褒めて育てよ〉というように、できるだけ褒めようと努めても、目につくところは良くない部分ばかり。なかなか良いところを見つけることは難しいものです。
仏教には「一切衆生 悉有仏性(いっさいしゅじょう しつうぶっしょう)」という言葉があります。「すべての生きとし生けるものには、仏になりうる素質がある」という意味です。
子の「良さを見つける」ことは、本来そなわっている「仏の素質」を見つけること。そして「褒める」ことは、その「仏の素質」を伸ばすこと。つまり「褒めて育てる」ことは、仏さまのようにやさしい子に育てることにつながるような気がします。
子に限らず、大人も褒め合うことは大切です。何歳になっても褒められるとうれしいものです。
私たちは、仏の子なのです。