身施 ~無財の七施~
昔、ウサギとカワウソと犬とサルたちは、
「困っている人がいたら助けてあげようね」
と話していました。
ある時、1人の弱った旅の僧がやってきました。4匹は僧の為に食べ物を探しました。カワウソは魚を、犬は肉を、サルは果物を。しかし、ウサギは自分の食べ物さえなく困っている時でした。ウサギは旅の僧に言います。
「たきぎを集めて火をおこしてください」
いわれるままに僧は火をおこしました。
するとウサギは、
「私にはさしあげる食べ物は何もありません。どうか私を食べてください」
そういって真っ赤な火の中に飛びこびました。その時です、旅の僧は帝釈天の姿となりこう言いました。
「ウサギよ。おまえのそのやさしい心と行いが世界中に広まるよう、月におまえの姿をしるそう」と。
~ジャータカ物語より~