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彩寺記

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2014/10/08 (Wed)


花は咲く
誰が見ていなくとも



花は咲く

与えられた命を
ただ美しく
生きるために

たとえ
誰にも気づかれず
静かに命尽きようとも

凛と生きる
その姿が
儚く美しい
2014/09/08 (Mon)



墓参り 墓石撫でて 子にかえる


うれしいとき
悲しいとき
墓前に座り
話しかける

返事はなくても
声が聞こえ
姿はなくても
顔が浮かぶ

守っているのではなく
守られていることに気づく
2014/08/08 (Fri)


リン打てば こちむく 盆の仏たち


お盆とは

ご先祖さまと
出逢うとき

「いのち」のつながりを
知るとき

そして今
私が在ることの
不思議に気づくとき




2014/07/02 (Wed)


思い通りに
ならないことがある


 昔,お釈迦様の時代に,ようやく授かった我が子を突然亡くした女性がいました。
「この子を生き返らせてください!」
その女性は狂ったように町中を走りまわります。
子どもの死体は腐り始め,臭いがしています。

「私がその薬を作ってあげよう。」
そう声をかけたのはお釈迦様です。
「薬の原料となる辛子を,一度も死者を出したことのない家からもらってきなさい。」

 言われた通り女性は家々を訪ねて回ります。
しかし,どの家も死者を出したことのある家ばかりです。
家を訪ねるごとに狂気は静まっていきます。

「女よ,辛子はもらってきたか。」
女性は答えます。
「いいえ,もう薬はいりません。この子を荼毘(だび)にふしてやります。」
 
2014/06/01 (Sun)


誰かを支え
誰かに支えられ
人となる


私ひとりの
力ではなかったことに
気づいたとき

誰かの
お陰だったと
気づかされたとき

人に生まれた私が
人となる
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