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彩寺記

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2020/11/29 (Sun)


紅葉の見ごろも過ぎ、木々が葉を散らしています。
枝から落ちる葉を見ると、良寛和尚の句を思い出します。

~うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ~

病床にあった良寛和尚の看病をしていた弟子の貞心尼。
良寛和尚の死期が近いことを嘆いて次の句を詠みます。

~生き死にの さかいはなれて すむ身にも さらぬ別れの あるぞかなしき~
(生き死ににこだわらない出家の身でありながら、
 避けることができない別れがあることがまことに悲しい)

これを聞いた良寛和尚は、貞心尼にこの句をつぶやきます。

~うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ~
(裏も表もすべて見せて、自然に散っていくもみじのように、
 みんなこの世を去っていくのです…)

数日後、良寛和尚は貞心尼に看取られながら、お浄土へ旅立っていきます。

人は日々、良い面と悪い面をお互い見せあいながら生きています。
傷つけたり傷つけられたりすることもあります。
泣いたり笑ったり、生きていると日々色んなことが起こります。

そして最後は、もみじのように散って、お浄土へ旅立ちます。

この句を詠むと、私たちも大きな自然の一つなんだと気づかされます。

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