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彩寺記

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2014/07/02 (Wed)


思い通りに
ならないことがある


 昔,お釈迦様の時代に,ようやく授かった我が子を突然亡くした女性がいました。
「この子を生き返らせてください!」
その女性は狂ったように町中を走りまわります。
子どもの死体は腐り始め,臭いがしています。

「私がその薬を作ってあげよう。」
そう声をかけたのはお釈迦様です。
「薬の原料となる辛子を,一度も死者を出したことのない家からもらってきなさい。」

 言われた通り女性は家々を訪ねて回ります。
しかし,どの家も死者を出したことのある家ばかりです。
家を訪ねるごとに狂気は静まっていきます。

「女よ,辛子はもらってきたか。」
女性は答えます。
「いいえ,もう薬はいりません。この子を荼毘(だび)にふしてやります。」
 
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