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彩寺記

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2024/01/12 (Fri)


お経の中に祝聖文という文があります。
これは平和の祈願や祝いの法要の時に用いられますが、
毎朝、本堂での勤行の中でも読みます。

昔の世も、今の世も、この世で暮らす人々が願うものは同じです。


天下和順(てんげわじゅん) 
 世界は平和であれ
日月清明(にちがつしょうみょう)
 歳月は清く明らかであれ
風雨以時(ふうういじ)  
 気象は順調であれ
災厲不起(さいれいふき)  
 災害や疫病の起こらないようにあれ
国豊民安(こくぶみんなん)  
 国は豊かであり人々は安らかであれ
兵戈無用(ひょうがむゆう)
 兵器を用いることがないようにあれ
崇徳興仁(すとくこうにん)
 良い行いを崇(あが)め
務修礼譲(むしゅらいじょう)
 真心をもって思いやりに勤めよ




2023/03/19 (Sun)


春のお彼岸の季節となりました。

お彼岸は春と秋の年二回あります。
春分(秋分)の日を中日として、その前後三日間をあわせた七日間を
「お彼岸」といいます。

お彼岸は、彼岸会法要やお墓参りでご先祖を供養するとともに、
迷い苦しみがあるこの世「此岸(しがん)」から
仏さまの世界「彼岸(ひがん)」へ渡ることができるように、
次の六つの徳目を実践する期間でもあるのです。

1.惜しみなく与える(布施 ふせ)
2.きまりを守る(持戒 じかい)
3.耐え忍ぶ(忍辱 にんにく)
4.常に努力する(精進 しょうじん)
5.心を安定させる(禅定 ぜんじょう)
6.真実を見る眼を持つ(智慧 ちえ)

この六つの徳目は、彼岸へ渡るためだけではなく、
この世を豊かに生きるために必要な徳目のようにも思えます。
2023/02/21 (Tue)


冬なくば 春なきに

桜が開花するためには「冬の寒さ」と「春の暖かさ」が必要です。
夏につくられた花芽は、秋から冬にかけて休眠状態になります。
その休眠状態を目覚めさせるために、冬の厳しい寒さが必要なのです。
冬がなければ、桜は開花しないのです。

人生も、時には冬の厳しい寒さのように、辛い出来事に遭うことがあります。
それでも、楽しいばかりの人生がないように、辛いばかりの人生もありません。
冬のあとには、必ず春はやって来ます。


2023/01/11 (Wed)


中国の書物「月令広義」に「一年の計は元旦にあり」の
由来の一説といわれる「四計」があります。

四計
一日の計は晨(あした)にあり
一年の計は春にあり
一生の計は勤(つとめ)にあり
一家の計は身にあり
 ※晨は朝のこと。春は正月のこと。勤は働くこと。身は健康のこと。

計画を立てるときは、
一日なら朝、一年なら元旦に立てることが大切である。
そして、勤勉に働くことで一生が決まり、
健康に過ごすことで一家の行く末が決まる、という意味です。

新年を迎え、大切にしたい言葉です。
2022/07/24 (Sun)


今は亡き人のために、私たちができることは「供養」です。
供養にもいくつか種類があります。

①物の供養
 お花を供える。飲み物や好きだった物を供える。

②法の供養
 お経を読む。お線香やロウソクを灯す。

③心の供養
 亡き人を思い出す。「こんな人だったよ」と伝える。
 亡き人のことを忘れない。

心の供養は目に見えませんが、「思い出す」「忘れない」ことは大切な供養です。


作家の下重暁子さんが著書の中で「思い出すということは、死者をよみがえらす作業」とおっしゃっています。
「私は亡くなった人のことを時々思い出し、話題にするようにしています。
その時、死者はよみがえり、生前の形を取って生き返るのです」と。

亡き人の思い出話をしているとき、その人の姿が目に浮かび、
話をしている人たちの心も満たされていくように感じます。

供養とは、供養される者だけのものではなく、供養される者と供養する者が、
共により良くなっていくものなのです。
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